小学校の家庭科で調理実習があるようなのですが、学校と家のキッチンとの違いに疑問を抱いたようです。学校はガスコンロ、家のキッチンはIHクッキングヒーターを使用しています。その疑問とは・・・
どうなってるんだろうね?IHの原理とかさっぱりわからない。
息子としては、火を使っていないのに鍋が加熱できるということが不思議だったようです。それに、IHの場合はコンロ周りを手で触っても熱くなっていないことにも疑問を感じたようですが、急に質問されても困りますよね。
というわけで、今日は
IHクッキングヒーターの原理を教えて!渦電流って何?
というテーマを取り上げてみたいと思います。オール電化の家庭もかなり多くなってきて、お子さんに質問されることもあるのではないでしょうか?そんな時にすぐに答えられると凄く嬉しくなりますよね。
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IHクッキングヒーターの原理は渦電流だった!
まずはIHとは何かというところから見ていきましょう。
IHとはInduction Heatingの略です。Induction Heatingというのは日本語に直すと、電磁誘導加熱になります。ちょっと難しい言葉ですが、簡単に言うと、電気の力を磁石にして、それによって熱を発生させているのです。
言葉で説明すると解り難いので、こちらの動画は渦電流についての説明動画を見てみましょう。
金属に磁石を近付けたり遠ざけたりすることで、磁界が変化しますが、その変化を打ち消すように誘導起電力が発生するということですね。この時に円を描くような方向に電流が流れます。その電流が渦を巻くように流れるということで、渦電流と呼ばれています。
そして、磁界の変化で発声した渦電流によって、金属に熱が発生するというのがIHの原理なのです。
渦電流が流れるというところまでは何となくわかりますよね。小学校の理科で習った電磁石の知識プラスα程度のお話です。しかし、そこから熱が発生するとなると、ちょっと話がややこしくなります。
上の動画では、渦電流を利用している装置として
- 自動車のブレーキ
- IHクッキングヒーター
があるという説明で終わってしまっています。では、渦電流が発生することによって、どのように鍋が加熱されるのでしょうか?もう少し詳しく見ていきましょう。
渦電流がジュール熱を発生させる
渦電流が発生することによって、IHクッキングヒーターの上の鍋が加熱されるのは、ジュール熱が発生するからです。
ジュール熱というのは、電流が電気抵抗のあるところを流れると発生する熱のことです。IHクッキングヒーターの場合、電磁誘導によって発生した渦電流が電気抵抗のあるところを流れることによって熱が発生します。
このジュール熱は渦電流、抵抗値、時間の関係で表すことができます。計算式は以下の通りです。
- ジュール熱(Q) = 渦電流(I)2乗 × 金属の抵抗(R) × 時間(t)
IHクッキングヒーターの凄いところは、IHクッキングヒーター本体が熱くならず、鍋だけが熱くなるという点ではないでしょうか。これは、IHクッキングヒーター内にあるコイルから磁界を発生させることによって鍋側に渦電流が発生、つまり、鍋側だけにジュール熱を発生させることができるということです。
しかし、ちょっとした疑問が湧きませんか?
という点ですね。
IHクッキングヒーターにはコンロ側にコイルがあり、そのコイルによって磁界が発生します。しかし、ジュール熱によって鍋を加熱しようとすると、磁界を変化させ続けなければなりませんよね。実は、コイルに流れる電流の方向を高周波で細かく変化させることで、常に渦電流が発生するような仕組みになっているのです。
まとめ
今日はIHの原理について取り上げてみました。IHクッキングヒーターで調理できるのは、鍋に渦電流が発生するからだったのです。今一度、IHの原理についてまとめてみましょう。
IHクッキングヒーターの原理は次の通りです。
- コイルに電圧を加える
- コイルに磁界が発生する
- 磁界が発生することで鍋に渦電流が発生する
- 鍋の電気抵抗を渦電流が流れることでジュール熱が発生する
渦電流は磁界の変化によって発生するので、磁界の変化を起こす為にコイルの電圧の方向を高周波で切り替えることが必要となってきます。ですから、コイルに掛かる電圧の方向を高周波で切り替え、上記の手順を繰り返すことによって、常に渦電流を発生させ、鍋を加熱することができるのです。
IHを使った土鍋の加熱方法についてはこちらの記事も是非読んでみてください。
ちょっと解り難かったかもしれませんが、小学校で電磁石についての知識を得るので、その辺りから入って行くとすんなり理解できるのではないでしょうか。
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