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アース線の太さはどうやって選定?ちょっと延長したいのですが・・・

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お隣のT田さんのお宅に用事があってお邪魔した時のことでした。どうやら電子レンジを少しだけ移動させたいだけのようですが、旦那さんが海外出張中でよくわからないので教えて欲しいと。

T田さん
電子レンジを移動させようと思ったんやけどね、アース線が短いんよ。どうしたらいい?

あぁ、アース線ですか。別に繋がなくてもいいと思うけど。

T田さん
そうなの?けど、元々繋がってたから何か気持ち悪いやん。アース線繋ぐ方法知らん?

それならアース線を長くすればいいと思うけど。

T田さん
アース線って何でもいいの?

何でも良いわけじゃないよ。太さの選定方法とかちゃんと決まってるし。

電子レンジのアース線に関しては、以前書いたこちらの記事が参考になると思いますので、是非読んでみてください。

 
というわけで、今日は
 
アース線の太さはどうやって選定すればいいの?
 
ということについて考えてみたいと思います。私は仕事柄、アース線の選定をすることがあるのですが、実は今までアース線の太さということについては特に気にしたことがありませんでした。

電源線よりも少し太めだったらいいかな・・・

というくらいの認識しかなかったので、T田さんに質問されたのを良い機会と思い、きちんと調べてみることにしましたので、是非最後まで読んでくださいね。
 

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アース線は何の為?太さの意味は?

アース線は何の為に必要なのでしょうか?今一度考えてみましょう。

アース線は、漏電などによる感電事故や火災などを防ぐの為のものです。決して、アース線を接続しなかったからと言って、すぐに機器が壊れたり、うまく動作しなかったりということはありません。

しかし、安全面を考慮すると、接続しておいた方が良いでしょう。しかし、特にアース線の太さに関してはどのような物でも構わないというわけではありません。対象となる機器の電源電圧に見合った太さのアース線でなければなりません。
 
では、その選定方法はどこかに明記されているのでしょうか?
 
実は、内線規程の資料1―3―6に計算式が記載されていました。内線規程というのは、日本電気技術規格委員会が発行している電気工事に関する規定で、書籍は約1000ページもあるという凄い規定なんですね。

1,000ページもあったら読む気にならんわ。

普通の人はそうなりますよね。しかし、今回関係のあるところはアース線の太さに関する規定部分です。1000ページ読まなくても大丈夫なので安心してください。

内線規程によると、
 

  • アース線の最小太さ = 0.052×AT

 
という風に書かれていました。ATというのは機器が接続されている配線用遮断器やヒューズの定格電流のことで、一般的にAT値と呼ばれています。ATとはアンペアトリップ値の略で、『これ以上電流が流れたらブレーカーを落としますよ!』という値のことですね。

いちいち計算をするのは大変なので、早見表を作ってみました。

ブレーカー容量 ×0.052 アース線の太さ
15AT 0.78 1.25mm2
30AT 1.56 2mm2
40AT 2.08 3.5mm2
50AT 2.6 3.5mm2
60AT 3.12 3.5mm2
75AT 3.9 5.5mm2
100AT 5.2 5.5mm2

 
しかし、家庭用のコンセントって1つの機器に対して1つのブレーカーがあるわけではありませんので、この計算方法で算出するのはちょっと難しいですね。

では、実際に使用するアース線の太さはどうやって選定すれば良いのでしょうか?
 

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一般家庭で使用する家電製品のアース線はこれでいい!?

電子レンジの電流は一般的に10A(アンペア)以内。そして、家庭用コンセントは15Aのものが殆どですよね。勿論、ブレーカーも15A程度となっています。

先程の早見表を見ると、計算値が0.78、アース線の太さは1.25mm2となっています。仕事上、

先輩
アース線は太く短く!!

と教わったのですが、家庭用の機器の場合は1.25mm2程度の太さで十分ということになります。

仕事上、近くで作業していたとある電気施工業者に問い合わせてみたところ、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどの屋内配線はIV線という直径1.6mmのコードを使用するそうです。

直径1.6mmって言われてもわからないのですが、円の面積は『半径×半径×3.14』なので、断面積に換算すると2.0mm2相当のケーブルと同じようです。但し、IV線は耐熱温度が少し高く、アース線としては申し分無いのですが、硬い導線なので素人が使用する場合は施工が大変かもしれません。

しかし、今回のような場合は特に配線しなくても問題が無いようなものなので、ホームセンターで1.25mm2の電線を購入すれば良いと思いますが、延長ということなら、もう少し太い2.0mm2の電線を選定しましょう。
 

まとめ

今日はアース線の太さについて選定方法を調べてみました。普段何気なく配線している(?)アース線も自分で準備しようと思うとどんな物を使えば良いのかわかりませんよね?でも、これでもう安心です。

では、もう一度記事を振り返ってみましょう。
アース線の太さの選定基準は内線規程に記されていました。計算方法は以下の通りです。

アース線の最小太さ = 0.052×AT

 
そして、家庭用の機器に関しては1.25mm2以上のケーブル、できれば2.0mm2を使用するのが良いと思います。

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ちなみに、アース線を選定する時に被覆の色はが多いですが、私の中では「黄色と緑のストライプ」の印象が強かったのです。ちょっと不思議に思って調べてみたところ、

  • 緑色・・・JIS規格
  • 黄/緑・・・IEC 60446

 
ということでした。海外向けの機器の場合は黄色と緑のストライプでなければならないということですが、国によっても色々違ってややこしいですね。

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